結局、防腐剤とは? ~配合理由とメリット・デメリット~
今回は世間的に悪者にされていることが多い防腐剤について、なるべくわかりやすく解説していきたいと思います!
防腐剤とは字の通り、腐るのを防止する成分です。
まず、化粧品が腐る??というのが疑問かもしれませんが、腐る(菌汚染)されます。
しばらく使っていない化粧品を久しぶりに使おうとしたときに臭かったという経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか?
これが腐る・菌汚染された状態になります。
そもそも、菌が繁殖するためには主に以下の3つが必要となります。
水分・・・水
適度な温度・・・一般的な室温
菌の栄養・・・ヒアルロン酸やセラミド等の人の肌にとっての栄養となるもの全般
上に書いた通り一般的な化粧品は全て該当します(^o^;)
ざっくり言うと化粧品は食品と同じように腐るものなのに
冷蔵庫ではなく室温で長期間放置されてしまうものなのです。
原則として
化粧品は適切な環境下で3年間安定した品質を保たなければならず、もし保てない場合は使用期限を表示しなければならない
と決まっています。
(さすがに1年間放置していた化粧品でカビや異臭など問題が起きていても、文句を言う人はいないと思いますが、、、)
適切な使用頻度で使っていても起こる可能性が考えられる汚染から守るために配合されているのです。
化粧品は万が一、口にしてしまっても問題が起きない成分で作られているにもかかわらず、開封してから使い切るまで食品よりも圧倒的に長い期間があるため、菌や微生物による汚染を防ぐために防腐剤または、防腐効果のある成分がほとんどの化粧品に含まれています。
口紅の成分は基本的に油と粉で構成されていて、水は入っていません。
そのため、粘膜に直接触れ、唾液が製品についていても乾燥してしまえば、汚染の確率は低くなります。
しかし、入っている成分の影響で密閉されてしまう容器はは口紅についた、唾液が乾燥せず菌が繁殖してしまうリスクが高まります。
これらの、汚染される可能性がい低い化粧品は防腐剤ではなく、防腐効果の高い成分が配合されていることが多いです。この防腐効果の高い成分については、また別の機会で詳しく解説したいと思いますが、
例えるなら、殺虫剤ではないが虫が嫌がる臭いで寄せ付けないといった感じです。笑
そんなことは置いといて、防腐剤が入っていなければ汚染のリスクが高いもの
つまり、水が多く空気にさらされにくい化粧品について説明したいと思います。
まず、化粧水は80%以上が水であるために、汚染されやすいです。製品によっては冷蔵庫保存などを推奨していることもあります。
大体の化粧水は使い切るまで1カ月ぐらいかかると思いますが
皆さんは、飲みかけのジュースを1か月後に何も気にせずに飲めますか?
冒頭でも言いましたが、化粧品は目に入っても口に入っても
極端にいうと化粧水を飲み干しても(さすがに、お腹を壊しそうですが...)体に害がないように作られています。
化粧品は薬ではなく、それほどデリケートなものだと考えていただければ幸いです。
つぎに、意外と雑に保存されがちな、目や唇などの粘膜に触れる化粧品(アイライナー・マスカラ、リップグロスなど)も、汚染される可能性が非常に高いです。
これらは、ブラシなどのアプリケーターによって粘膜の菌や微生物を製品に運んでしまい、ふたを閉めると密閉された環境になってしまうため、汚染が起きてしまいやすく、保存方法もポーチなどにいれてカバンに入れてと比較的暖かい環境になりやすいため、化粧水よりも注意が必要かもしれません。
防腐剤のデメリット
ここからは、防腐剤の引き起こす問題について、解説したいと思います。
防腐剤の種類によって様々ありますが
デメリットとして挙げられるのは大きく分けて
①アレルギー等の刺激性、皮膚トラブル的な問題
②発がん性などの成分的問題
を理解していただければと思います。
先に②についてですが、
防腐剤には発がん性があると問題になっていた成分があります。
代表的なものとして、安息香酸、安息香酸Naといったものがあります。
これらの成分は、現在食品などにも幅広く使われていますが、
一時期は、それ自体は問題ないがビタミンCと反応して発がん性物質であるベンゼンを生成すると問題になりました。
この発がん性物質(それを生成するもの)はどの分野でも判断が非常に難しく、今でも、危険であるという声が強く、研究されています。
しかし、現在は、規制はされていないので、幅広く使用されていますが、明確に安全とされているわけではないので、嫌だという人は避けた方がいいでしょう。
ただ、食品分野でよく使われているため完全に遮断することは難しいと思われます。
もっとも、気になっているデメリットは①の肌トラブルでしょう。
防腐剤によって、赤みや腫れ、湿疹が起きてしまう人がいます。
これらの問題で話題になる防腐剤であるパラベンは、1000人に1~2人の確率で拒否反応、つまり、アレルギー反応を起こしてしまうと言われています。
最近よく聞く「パラベンフリー」などはこれを気にする人に向けての広告です。
しかし、パラベンフリーはパラベンが入っていないだけで、それに代わる防腐剤が入っている事もあるので、
代わりの防腐剤に反応してしまう人もいるかと思われます。
結局のところアレルギー反応はどんな成分にも起きてしま人はいるため、パラベンはあくまで、比較的アレルギー反応が起こる可能性が高いだけと考えていただけると幸いです。
最後に
ここまで、防腐剤の大まかなメリット・デメリットについて解説してきましたが、
まとめてしまうと、防腐剤が入っていても乱雑な保存をしていれば危険ですし、入っていなくてもしっかりと保存方法・期間を守っていれば安全です。
また、防腐剤はアレルギー反応がない人にとっては、安全に使用できる状態の維持を助けてくれる味方です。
そのため、ただ防腐剤が入っているから選ばないのではなく、自分の肌や化粧品の扱い方をもう一度見直し、いつまでも健やかな肌を維持していただければと思います。
説明が足りない部分も多いと思いますが、今後の記事で補てんしていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
長々と書いてしまいましたが最後まで読んで下さった方ありがとうございます。